★坂東三十三観音巡礼記 第三十三番 補陀洛山・那古寺★


さて、平成21年6月1日に始めた坂東三十三観音も、いよいよ三十三番札所。結願の時がやって参りました。
第三十三番札所は、千葉県館山市の補陀洛山・那古寺です。

  

このお寺は、総距離1400キロに渡り、徒歩で周れば40日はかかると言われている坂東三十三観音の最後のお寺となります。

寺暦は古く、「縁起」によると養老元年(717)、元正女帝の病気回復を祈って、当時の高僧・行基がこの地を訪れ、海中から霊木を得て千手観音を刻み祈念すると、直ちに女帝は回復した。これを喜んだ女帝の勅命で、那古山の頂上に伽藍が建てられた、とのこと。

山上からは遠く南方の海上にある観音の霊地、補陀洛浄土も望めるということで、補陀洛山という山号が付けられました。

また、この那古寺のある地を補陀洛浄土そのものと見る信仰も、江戸に入って霊場巡りが盛んになるにつれ広まっていきました。御詠歌である、

補陀洛は よそにはあらじ 那古の寺
 岸うつ波を 見るにつけても

は、正にその事をあらわしているといえるでしょう。

那古寺は、源頼朝をはじめ、足利尊氏、里美義実、徳川家康といった歴代の覇者に信仰されて大いに栄えたが、元禄十六年(1703)の大地震で山頂にあった伽藍は崩れ、現在のように山の中腹に移転しました。

この地は黒潮が寄せる房総半島の南端にあるだけに、那古山には熱帯系のタブノキ、ソテツに加えヤブツバキやスダジイなどの照葉樹もあり、明るい光景の中に寺のたたずまいがある、実に三十三観音の最後にふさわしいお寺だと思います。


さて、朝5時に起床して京急線に乗ります。
東京湾フェリーの往復キップを購入。
これで、京急線・久里浜駅〜久里浜港・フェリーの往復ができる、なんともオトクなキップです^^

  


今回乗ったのは、「くりはま丸」。
東京湾フェリーは初めて乗るので、ちょっとドキドキ。

  


出航は7時20分。
神奈川がどんどん小さくなっていきます。
左側の煙突は、横須賀火力発電所。

  


東京湾は、船がたくさん!!
大きな貨物船がたくさんいて、なかなか楽しい^^

  


40分ほどで、千葉の金谷港に到着です^^

  


金谷港から徒歩10分で、内房線の浜金谷駅に到着。
いやー、のどか!!

  


ここから内房線で那古船形駅に行き、10分ほど歩いた所が那古観音です。
道もわかりやすいし、ラクだわー^^

  


階段を上がると、そこは静寂に包まれた仁王門・・^^

  


明るくて、気持ちの良い境内です^^

  


参拝前に、鐘を一突き^^

  


立派な本堂^^
こちらに掲げられた「円通閣」の扁額は、寛政の改革で名を馳せた松平定信の書だとか。

  


ややっ、こんなところに・・・

  


これは、まんが日本昔話でもあったと思う。
あるお坊さんが、とても綺麗なお姫さまと恋仲の関係になってしまった。二人はとても愛し合ったが、女性に触れてはいけないはずのお坊さんと、身分の高い姫の恋などかなうはずがないと悲しんだお坊さんが、自らを鐘の中に閉じ込めてしまった。
大いに悲しんだ姫は、その鐘の前で泣きはらすうちに、龍の体と般若の顔を持つ怪物に化けてしまった、という悲しいお話・・・
なんていうお話しだったっけなぁ。


奉納された、ちょうちん^^

  


風神か雷神かハッキリしないらしい彫像。

  


こちらのお坊さんがとても気さくな方で、いろいろ楽しいお話を聞かせていただきました^^
やはり最後のお寺らしく、いろんな巡拝者がいるらしくて、独りで50回も坂東を巡っている人もいれば、わずか4日で巡ってしまった人など・・・いろいろでした。

厚木の勝福寺の、羽の生えた天女(詳しくはこちら参照)の話でも盛り上がったり、結願の証書を頂いたりしました^^

こちらが、三十三番 那古寺の御朱印^^
左上の「結願」印に注目です^^

  


すがすがしい気持ちで那古寺を後にすると、そのまま那古舟形駅近くの大福寺に向かいました^^
ここは、地元の人たちから「崖観音」と呼ばれ親しまれており、京都の清水寺のような大舞台が見ものです^^

  


舞台の上から、東京湾がよく見えます^^

  


すり減った石段が、信仰の深さを物語っています。

  


こちらでも御朱印を頂きました^^

  


さて、時間がちょうど良かったので崖観音のバス停から館山駅行きのバスに乗りました^^
案外ラクチンな旅だなぁ。

結願のお祝いということで… スシでも食いますか!!

  


う〜〜む、んまい^^^^

  


さて、お腹いっぱいになったらバスに乗り、萬徳寺へ・・・^^

ここは拝観料500円かかるけれど、境内に安置されている体長16m、重さ30トンの巨大なお釈迦様は、青銅製では世界最大級のものだそうで、ぜひ見てみたいと思っていました。

中央で合掌し、合掌のまま台座を時計回りに3周し、足の所で祈願をすれば願い事がかなうのだとか。

なるほどでかい。

  

  


なんだか、南国風の植物に囲まれて、タイやインドのお寺みたい。

  


このお寺で働く人は女性が多く、なぜかみんなインドの民俗衣装を着ていました。そういう点でも独特のお寺です。

こちらのお寺は、御朱印も独特です。

  


この涅槃仏は、お釈迦様が亡くなった瞬間の像だそうです。
だから、薄墨で御朱印を書くのだとか。法事の際に薄墨を使って字を書くのと同じだそうです。

さて、帰りのバスに乗りましょう・・・
時間があったので少し農耕地を散策してから、バス停へ向かいました。
バス停の前の廃屋に、「神戸村」の字が・・・

  


あれ、ここって館山市だよね?? ・・と思いウィキペディアで調べると、ここは昭和二十九年(1954年)までは神戸村と呼ばれていたそうで。
という事は、最低でも半世紀以上むかしのガラスなんですね、これw

さて、バスで館山駅へ行き、内房線で再度「浜金谷」へ・・・

浜金谷から近い「鋸山」へ行きましょう^^

江戸時代から昭和五十年代までの数百年にわたって採石場として栄えたこの山は、石の切り出しによりギザギザになってしまい、ノコギリ山の名がつけられたのだとか。

  


ロープウェーでラクラク登山です^^

  


山頂まで一気にたどり着きました。
いやー、絶景!!! 海に浮かぶのは東京湾フェリーです。

  


「地獄のぞき」と呼ばれる、展望台。
落差100メートルを超えるという・・・。

もちろん行かなかったw(高いところは苦手w)

  


天気も良いし、家族連れでにぎわっていました^^

  


ここから日本寺を目指します。
かなり階段がきつい!!
この写真は下りですが、ロープウェーの後に上り階段もあり、けっこうきついです。
この時点でヒザが笑いそうですw

  


途中目にした千五百羅漢。

  


鎌倉に負けず劣らずの切り通し。

  


やっとつきました!! 日本最大の大仏です。
なんと高さは31メートル!!
ちなみに、鎌倉大仏は13メートル、奈良の大仏は16メートル。

ロープウェーの駅からここまで30分かかりました。

  


お願い事が書かれた、大量の地蔵が奉納された「お願い地蔵尊」。

  


源頼朝が植えた「らしい」ソテツの木。

  


この日本寺は、夏目漱石も愛した10万坪を超す庭園がかなり見事です。さきほどの千五百羅漢や切り通しも庭園の一部分。
かなりオススメですが、歩きやすい服装で行くことをオススメします。

こちらの御朱印です^^
 
  


納経を納めたら、「アーラ珍しく写経を納めた方がいらっしゃいます〜〜^^」とおっしゃり、記念に湯のみを一つ頂きました^^

それを横で見ていたオジサン、「オレだって御朱印もらったのに、なんで湯のみがないのだ」と怒り出す。

「これはちゃんと写経を納めた方にだけ渡しているんですよ。そもそも御朱印というものは、写経を納めてうんちゃらかんちゃら・・・」

「それでも払う金額は一緒なんだからくれたっていいでしょう、サービス悪いな」

「サービスとはなんです! この青年は貴重な時間を割いて、こうして修行してきてるんですよ!」(写経を見せる)

僧2「そうですよ、この青年はこのために1時間はかけたと思いますよ。それに対するご褒美なんですから。」

「そんな事しらないよ!、それに、そんだけ努力しても湯のみ一個か!! あんたらこそ青年に失礼だぞ!!」

「何を言ってるんだ、あんたは! ここはあんたのような人が来る場所ではないんだ!」

「何だとコラー!!


・・・・・・・・・・・・・・・

だんだんヒートアップして、野次馬も集まり、どこからか「警察呼んだほうがよくね?」とか聞こえてくる始末。

頼むからやめてくれよ、って感じで・・・逃げてきちゃいました^^;;
こんなこと初めてだ。もっと心を広く持とうよ。

そのまま、庭園を抜けて浜金谷まで歩いて行きました^^
4キロくらいあったけど、あの階段をまた登る気になれなくて・・・

携帯のナビタイムで見たら海沿いの国道127号線をずっと歩けば着くと出たので、そちらを選択。

しかし、確かに平地で歩きやすいし海沿いで気持ちいいけれど、途中いくつかあるトンネルを初めとしてほとんどの区間で歩道がなく、しかもこんな辺鄙なところに歩行者がいると予測してないのか、車もかなりスピード出していました^^;;
実際歩行者は誰もいなかったし、かなりおっかなかったです^^;;

それでも、綺麗な海を見ながら歩きましたーー^^ノ

  


陸地側を見ると、奇岩の数々。絶景かな絶景かな^^

  


かくして、何とか無事に金谷港に到着。
家に向かって、出航したのでした^^



今回のおみやげです^^
びわゼリー・びわロールケーキ・あおさ・いかの沖着けーー^^

  


さらに、頂いた湯飲み^^
般若心経が書かれていますが・・・

  


熱いお湯を入れると、温度で色が変わります^^
大仏様が浮き出てきましたー^^

  


けっこう楽しいお土産です^^

そして、那古寺で頂いた巡礼結願の証書^^

  

巡拝おわらず、と書かれているそうです。
坂東三十三観音はこれで終わりだが、一つの区切りに過ぎない。
これからも修行に励むべきである・・・そう説かれているのです。

今回を含め、昨年六月一日から十一ヶ月に渡った坂東三十三観音めぐり。
最後の信州善光寺・北向観音のお礼参りが六月一日に控えていますが、これでようやく一区切りを迎えました。

思い起こせば、この一年いろんな思い出がありました。
宿泊もしたし、果てしない山道を登ったり、バスの運転士さんといろいろ話したり、暑い中柿の実をいただいたり。
どれもこれも忘れがたい思い出です。

理解ある妻をはじめ、たくさんの方々に支えられてきた坂東三十三観音めぐりの旅。
この支えに感謝しつつ、この思い出を胸に日々精進していきたいと観じます。



補陀洛は よそにはあらじ 那古の寺
 岸うつ波を 見るにつけても


   
  


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